楽観主義は良い方向に向かうと捉える考え方|特徴、メリット、楽観主義になる方法

楽観主義とは、今後の展開が良い方向に向かうだろうと捉える考え方のことです。今回は楽観主義の意味とポジティブとの違い、楽観主義者の特徴、楽観主義バイアスを解説します。さらに、メリットデメリットや考え方を変えるコツもあわせて解説するため、ぜひ参考にしてください。

楽観主義とは?基礎知識から解説

楽観主義は、ラテン語の「オプティムス」を和訳した言葉です。「楽観的思考」「楽観的」「楽天主義」などともいわれています。また、楽観的に考える人のことを、楽観主義者と表現します。

はじめに、楽観主義の詳しい意味や似た言葉である「ポジティブ」との違い、楽観主義者の特徴を確認していきましょう。あわせて、楽観主義バイアスもご紹介します。

楽観主義は良い方向に向かうと捉える考え方

楽観主義とは、物事や事態のなりゆきが良い方向に向かうだろうと捉える考え方のことです。「コップに水が半分しかない」と考えるか、「コップに半分も水がある」と考えるかという話でわかるように、同じ物事であっても人によってとらえ方が違います。楽観的思考をしている人は、あまりくよくよしない傾向にあります。

楽観主義の人は、取りかかっている仕事の成果が良いときに、自分の頑張りのおかげだと考え、今後も良いことが続くだろうと思うのが特徴です。実際に、悲観主義の人よりも楽観主義の人のほうが、営業員の成績が良かったという研究があります。

ポジティブと楽観主義との違い

楽観主義は、ポジティブと同じような解釈で使われているケースがあります。しかし、実際には違う部分があるため注意が必要です。

ポジティブとは、物事に対して積極的であるさまなどを指します。一方で楽観主義とは、人々の望みや目的が最終的には満たされるだろう、きっと良い方向に向かうだろうと捉える考え方のことです。

このように、積極的である様子を表すのか、良い方向に考える心理的傾向を表現するのかによって、ポジティブと楽観主義を使い分けると良いでしょう。

楽観主義者の特徴

楽観主義者といわれる人の特徴は、以下のとおりです。

・決断が早くて行動力がある
・いい結果はすべて自分が原因であると考える傾向にある
・悪い結果はたまたまで、原因のなかで自分が理由となった部分は一部のみだと考えやすい

楽観主義者は、くよくよと考えずに自分の直感を信じられます。そのため、決断が早くて行動力があるなどが特徴です。

なにか良いことがあったときには、楽観主義者は「今回は調子が良かった」ではなく、「やっぱり自分はすごい」などと考える傾向にあります。一時的なことではなく、今後も同じように良いことがあると、無意識のうちに考えているのです。また、もしも悪いことが起きたとしても、たまたま起こったことであり、その原因は外部的なものであると考えやすいといわれています。

楽観主義バイアスとは?

関連する言葉である「楽観主義バイアス」とはどのようなものかも、あわせて確認していきましょう。

楽観主義バイアスとは、「なにかがあっても自分や自分の周りはきっと大丈夫だろう」と思い込み、楽観的に判断するという認識のゆがみのことです。多くの人ががんになると知っていても「まさか自分がなるなんて」と思うことは、楽観主義バイアスがあるためです。また、どこの地域でも多くの災害リスクがあると理解していても、「自分の街でこんなことになるとは思わなかった」と考えることは、同様に楽観主義バイアスによる認識のゆがみで起こります。

楽観主義バイアスは、災害避難に関連する報道などで近年耳にすることが増えている言葉です。先述のとおり、楽観主義者と悲観主義者がいるなど、物事を捉えるときの考え方は人によって違います。とはいえ、楽観主義バイアスは80%の人が持っているといわれています。

楽観主義バイアスによって甘い見通しになってしまうことがある一方、良い面もあるものです。たとえば、世のなかで事件や事故が多く起こっていると知っていても、「巻き込まれるかも」と不安になりすぎることなく外に出掛けられるのは、楽観主義バイアスがあるためです。

楽観主義のメリットデメリット

楽観主義で物事を捉えることには、良い面も悪い面もあります。楽観主義のメリットとデメリットは、大きく分けると以下のとおりです。

<メリット>
・素早い判断力
・コミュニケーション能力の高さ
・ストレスとの向き合い方がうまい
・収入が高くなりやすい など

<デメリット>
・責任逃れをしがち
・リスクを重視しないことでの反感を買うことがある
・問題やリスクを見逃してしまいやすい など

それぞれ詳しくチェックしていきましょう。

楽観主義のメリット

楽観主義のメリットは、以下のとおりです。

・素早い判断力
・コミュニケーション能力が高い
・ストレスをあとに引きずらないで、おおらかな気持ちで過ごせる
・人がミスをしても寛大な対応ができる
・気持ちの切り替えがうまく、くよくよと考えない
・収入を増やしたり昇進したりする可能性が高いといわれている

楽観主義は相手のいいところに目がいくこともあって、ビジネスシーンなどにおいて周囲と良好な関係を築きやすいです。ストレスを感じても慢性的に溜め込まず、おおらかな気持ちでいられます。また、良い将来が訪れると信じているため、幸せになる努力を続けられ、実際に収入を増やすことなどの結果を出しやすいこともメリットです。

楽観主義のデメリット

一方で、楽観主義のデメリットは以下のとおりです。

・責任逃れをしがちである
・リスクを重視しないことでの反感を買うことがある
・問題やリスクを見逃してしまいやすい
・しっかりと計画を立てて行動することが苦手である
・マイペースな一面がある

また、楽観主義のメリットとして収入を増やしたり昇進したりする可能性が高いことを挙げましたが、経済的な面でのデメリットもあります。組織のなかで昇給や昇進はしやすいものの、起業家になるならば平均的な稼ぎが悲観主義者よりも少ないのです。これは、楽観主義ではリスクを取りすぎてしまい、失敗しやすいためかもしれません。

楽観主義は身体への効果も?

楽観主義者は、悲観主義者よりも身体に対して良い効果があるといわれています。楽観主義であることでの身体に関連する効果は、以下のとおりです。

・冠動脈疾患や心血管疾患、生活習慣病になりにくい
・自然とよく運動する傾向がある
・ビタミンを多く摂取できる低脂肪の食事をとっている

そのため、楽観主義者は悲観主義者よりも健康で長生きする傾向にあります。

楽観主義になる方法

このように楽観主義には、ストレスを溜めないことや健康でいられることなどのさまざまなメリットがあるものです。楽観主義にはデメリットもありますが、理解したうえでうまく楽観主義を取り入れると良いでしょう。

楽観主義になりたいならば、「くよくよとせずに物事をシンプル考えること」「今すべきことに集中すること」「自分と他人を比べないこと」などがおすすめです。「ささいなできごとでも成功体験を重ねること」によっても、楽観主義に近付けます。

また、楽観主義になったかどうかを確認する際は、楽観度テストをしてみると良いでしょう。

楽観主義を理解してうまく取り入れよう

楽観主義とは、物事や事態のなりゆきが良い方向に向かうだろうと捉える考え方のことです。ストレスを溜めないことや素早く判断できること、健康でいられることなどのさまざまなメリットがあります。

楽観主義の人の特徴やメリットデメリット、そうなる方法などを理解して、うまく取り入れられるようになりましょう。