大人の「アンニュイ疲労」に特効薬はない。増やすべきは少しの運動習慣とリラックスできる時間です

心も体もどんより疲れて、思わずため息…これって更年期? それともほかに理由が?グラン読者から集まったリアルな声を分析。 医師や「疲労取りのプロ」たちが解き明かす!「アンニュイ疲労」の正体って?

お悩み&疑問にズバリ回答!

産婦人科医 高尾美穂先生

イーク表参道副院長。診療の傍ら多くのメディアで情報を発信。明解な語り口にファン多数。

アラフォー世代以降は子供の受験や介護の問題、職場でも責任ある立場であるなど、家庭でも仕事でもストレスがとても多い。加えて更年期によるホルモンの減少もあり、これらが複雑に絡むとメンタルの不調にも大きく影響します。

アンニュイ疲労に特効薬はない。増やすべきは少しの運動習慣とリラックスできる時間です

Q. むくみや冷えについては夏冬問わずで体のだるさも恒常化しています。疲れすぎると、眠たいのに頭が変にさえてしまい眠れないという悪循環に…。 会社役員秘書(45歳)

A.まずは生活リズムを整える努力を

皆さん今の生活を変えずして、何か特効薬的なものはないかと探している。でもね、残念ながらそんなものはないのです(笑)。冷え、だるさ、不眠など更年期に多い症状をどうにかしたいなら、生活リズムを整えるしか根本的な解決法はありません。大切なのはとにかく「寝る」こと。寝る直前までスマホを見たり、明日の仕事を気にしたり、という生活は極力やめて、全ての活動を良い睡眠に向けるつもりで、1週間くらいちゃんと寝る努力をしてみてください。ストレッチでもいいので軽く運動することも大事。これだけでむくみも冷えもだるさも減るはずです。

Q. ストレスで胃腸の不調が起きた場合、どんな対処法がありますか。 会社員(48歳)

A.リラックスできる時間をなるべく増やして

精神的であれ肉体的であれ、ストレスがかかると交感神経が優位になります。緊張しているときに口が乾くのと同じで、交感神経活動が優位なときは消化酵素の分泌も減ります。胃腸が不調=今は交感神経が優位なんだなと理解して、なかなか難しいかもしれないけれど、できるだけリラックスする時間をもちましょう。

Q. 低血圧でもあるんですが、朝がつらく疲れやすいです。朝やると良いことはありますか? 接客業(38歳)

A.軽い運動&朝食で血圧は必ず上がります

年齢が上がると血圧も高くなるので「今の年齢で血圧が高くなくて良かった!」とまずはそう思っていいです(笑)。朝の不調を低血圧のせいだと感じている人は少なくありません。朝から血圧を上げたいなら、ストレッチや軽い運動で血流を促すこと。もうひとつ、朝ごはんでも温かい飲み物でもいいので何か口に入れて消化管の活動を促しましょう。これを心掛けていれば「私、低血圧で朝が苦手…」みたいなことは起こりにくくなるはずです。

開脚ストレッチ

開脚は股関節や太ももなど、大きな筋肉を動かせるので効率的に血流アップ。無理のない範囲で脚を左右に開き、息を吐きながら上半身を前に倒して10秒キープ×3セット。

肩回し

時間がない朝は肩回し(前後各10回)や、手を組んで上にグーッと10秒伸ばすだけでもOK。寝ている間に縮こまった体もほぐれて、肩こり解消にも効果抜群。

Q. 仕事がPC作業で一日中画面を見て座っています。整体も鍼はりも効かない程慢性的な肩コリでつらいです。 事務職(46歳)

A.時間割で休憩を入れて 体を動かしましょう

肩コリは更年期でいちばん多い悩み。一日中座り仕事ということですが、仕事中席を立つことができないわけではないだろうから、90分仕事をしたら10分休憩するなど、仕事→休憩→仕事のサイクルを作ってみては? 学生時代の時間割りを思い出してみるといいですよ。休憩の際に体を伸ばしたりするだけでも、かなり変わります。

Q. 寝ても寝ても眠くて集中できない。たまにだるくて起き上がれないときも…。改善方法はあるのでしょうか? エステサロン経営(42歳)

A.1週間くらいしっかり寝る努力をしてみて

恐らくきちんと眠れていないのではないでしょうか。睡眠の時間は確保できていても、布団に入ると心配事が頭に浮かんで不安になるとか、体がリラックスできていないなど、睡眠の質が悪いのかもしれません。最初の回答とも通ずるのですが、1週間くらいしっかり良い睡眠を確保できると、状況が良くなると思います。

Q. 夕方から疲労感がひどく、夕飯の支度から片づけ、お風呂、子供を寝かしつけるまでがしんどいです。 主婦(42歳)

A.活動時間にコアタイムを設けて頑張りすぎないように

朝から夜までフル活動していたら年齢的にも疲れるのは当然のこと。活動時間にコアタイムを設けるのがおすすめです。例えば「8時から16時まではしっかりと動いて、後はそこまで頑張らない」というように自分で決めてみては。子供が寝ても夫が帰ってくるまで起きていなくてはいけないなら、その間は寝る前のリラックスタイムに当てる。家事は翌朝に回せばいい。これで良く眠れるようになれば、しんどさも少しは改善されるのではないでしょうか。

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